賃貸の原状回復と遺品整理の費用は誰が負担するか|相続人が確認する7項目【2026年版】
賃貸住宅に住んでいた方が亡くなった場合、部屋を明け渡すまでに遺品の片付けと原状回復が必要になります。どちらの費用も相続人が負担するのが原則ですが、範囲の線引きで管理会社と食い違うことがあります。この記事では、負担の考え方と確認すべき項目を整理します。
①遺品整理=家財を運び出す費用 ②原状回復=部屋を貸せる状態に戻す費用
この2つを混ぜて見積もると、金額の妥当性が判断できません。
通常の使用による傷みは、原状回復の対象外です。全額を請求されたら内訳を確認してください。
2つの費用の違い
【結論】運び出すか、直すかで分かれます。
遺品整理の費用
家具、家電、衣類、書類などを運び出して処分する作業の費用です。部屋の広さと物量で決まります。相続人が負担します。
原状回復の費用
壁紙の張り替え、床の補修、ハウスクリーニングなど、次の入居者に貸せる状態へ戻す費用です。契約内容と傷みの原因によって、貸主と借主の負担が分かれます。
特殊清掃の費用
発見が遅れた場合など、通常の清掃では対応できない状態のときに発生します。原状回復とは別に計上されるのが一般的です。
合算されている場合
業者によっては、これらをまとめた金額で提示することがあります。内訳を分けてもらわないと、どこが高いのかが分かりません。
確認する7項目
【結論】契約書と、傷みの原因を突き合わせます。
1. 賃貸借契約書の内容
原状回復について、どこまでを借主の負担とするかが書かれています。特約がある場合、その内容が優先されることがあります。
2. 通常損耗の扱い
日光による壁紙の変色、家具を置いたことによる床のへこみなどは、通常の使用で生じる傷みです。原則として貸主の負担とされています。
3. 経過年数
壁紙や床材には耐用年数の考え方があり、長く住んでいるほど借主の負担割合は下がります。入居から何年経っているかを確認してください。
4. 敷金の有無と金額
敷金があれば、そこから充当されます。残額があれば返還されます。原状回復費が敷金を超えた場合のみ、追加の請求になります。
5. 見積書の内訳
どの箇所を、どの範囲で、いくらで直すのかが書かれているかを見ます。「クリーニング一式」だけでは判断できません。
6. 立ち会いの有無
退去の立ち会いに相続人が同席できれば、その場で状態を確認できます。写真も撮っておいてください。
7. 連帯保証人の有無
保証人がいる場合、費用の請求先が複数になります。誰がどこまで負担するかを整理する必要があります。
| 傷みの内容 | 原則の負担 | 備考 |
|---|---|---|
| 壁紙の日焼け | 貸主 | 通常損耗 |
| 家具のへこみ | 貸主 | 通常損耗 |
| 喫煙による変色 | 借主 | 用法違反とされることがある |
| ペットによる傷 | 借主 | 契約内容による |
| 設備の自然故障 | 貸主 | 経年劣化 |
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相続放棄を考えている場合
【結論】家財に手をつけないでください。
処分が承認とみなされる
遺品を処分すると、相続を承認したとみなされる可能性があります。そうなると、借金があった場合も引き継ぐことになります。
家賃の扱い
相続放棄をすれば、退去までの家賃も負担しません。ただし放棄が認められるまでの間、部屋はそのままになります。
管理会社への説明
放棄を検討している旨を早めに伝えてください。何も連絡しないまま放置すると、督促が続きます。
専門家への相談
放棄の可否や手続きは、弁護士や司法書士に相談するのが確実です。期限は3か月と短いため、早めに動いてください。
管理会社への連絡と手順
【結論】早く連絡するほど、家賃の負担が減ります。
まず連絡する
入居者が亡くなったことを管理会社へ伝えます。連絡しないまま放置しても、契約は続いて家賃が発生します。
解約の意思を示す
契約は相続人に引き継がれるため、解約の手続きも相続人が行います。多くの契約で1か月前の通知が必要とされており、伝えた日から起算されます。
必要な書類
死亡の事実が分かる書類と、相続人であることを示す書類が求められます。戸籍の取り寄せに時間がかかるため、早めに着手してください。
退去日の設定
片付けと原状回復にかかる日数を見込んで決めます。業者の予約が取れない時期もあるため、先に見積もりを取ってから日程を確定させるほうが確実です。
費用を抑える方法
【結論】自分でできる範囲を切り分けます。
買取と組み合わせる
使える家電や家具があれば、買取で費用が相殺されることがあります。見積もりの段階で相談してください。
自分で運び出す
小さな物や衣類だけでも自分で処分すれば、業者に頼む量が減ります。ただし時間と労力を要します。
複数社から見積もりを取る
同じ部屋でも、業者によって金額に幅があります。2社から3社に依頼して比較してください。
自治体の回収を使う
粗大ごみとして出せるものは、自治体の回収のほうが安く済みます。ただし搬出は自分で行う必要があります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 遺品整理は必ず業者に頼む必要がありますか
必要はありません。ただし物量が多い場合、自分で運び出すのは現実的でないことがあります。
Q2. 原状回復費が高額です
内訳を求めて、通常損耗が含まれていないか確認してください。国が示している指針が判断の参考になります。
Q3. 相続人が複数います
費用は相続分に応じて分担するのが原則です。ただし誰か1人が立て替えて、後で精算する形が実務的です。
Q4. 敷金は誰が受け取りますか
相続人が受け取ります。複数いる場合は分割の対象になります。
Q5. 部屋の鍵はいつ返せばよいですか
片付けと原状回復が終わってからです。返却すると立ち入れなくなります。
Q6. 千葉県内で対応する業者を探しています
対応範囲は業者ごとに異なります。問い合わせの際に住所を伝えて確認してください。
まとめ
遺品整理と原状回復は別の費用です。前者は家財を運び出す作業、後者は部屋を貸せる状態に戻す作業で、負担の考え方も異なります。
原状回復では、日光による変色や家具のへこみといった通常の使用による傷みは、原則として貸主の負担とされています。全額を請求された場合は、内訳を求めて確認してください。
相続放棄を検討しているなら、家財に手をつけないでください。処分が相続の承認とみなされる可能性があります。期限は3か月と短いため、早めに専門家へ相談してください。
費用を抑えるには、買取との組み合わせ、自分で運び出せる分の切り分け、複数社からの見積もりが有効です。同じ部屋でも業者によって金額に幅があります。
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